4年半ほどまえ、今の家を新築した時に、玄関の斜め右手にある1m四方の小さな花壇に植木市から買ってきた当時樹高3mくらいのブルーアイスを植えました。
ブルーアイスという木は初めて聞く人もおられるかもしれませんが、ヒノキ科の常緑針葉樹で、誰でも比較的簡単に育てられるということになっている樹木です。
ブルーアイスを選んだのは、水色の葉に粉砂糖ふりかけたような白い粉がついており、それが赤茶色の枝と見事に調和した美しい姿に魅了されたのと、樹形が堂々としており、玄関に植える木としてはいちばんふさわしいと思えたからです.
日当たりが悪い割には成長が早く、グングン大きくなっていき、3年目には5mくらいまでの大きさに育ちました。 ところが根元が1メートル四方と狭い上にコンクリートで固められた花壇に植えられていたために根張りが弱く安定性に欠け、強い風が吹くたびに大きく傾くようになりました。
こりゃまた“どんげかせんといかん”ということで裏の竹林から採って来た竹の支柱で支えようとしましたがなにせ不器用な素人しごとにつき、台風が来ると家屋の方に倒れかかるという状態が続きました。 これではブルーアイスも大変だろうということで業者に頼んで花壇の面積を広げることにしました。
コンクリート部分を切断して、倍くらいの広さに拡げ、これでこの木も安泰だろうと喜んでいましたが、それからひと月程たってからだんだん下の方が茶色になり、それから先はあっという間に全体がスッカリ茶色になり枯れ木と化してしまいました。
移植の時に根っこの処理の仕方が拙かったようですが、業者曰く、そもそもこの木は移植にはむかないんですよとのこと。それならそうと最初からそういってくれたらいいのにと思ったがすべては後の祭り!
思えば開業以来エントリーの顔として玄関口で沢山の会員の皆さんを送り迎えしてきたブルーアイス。 冬のイルミネーション点灯時には主役として雄姿を見せてきたこの木もあっけなく4年半でその命の幕を閉じました。
この木の為によかれと思ってやったことが結果的には私の樹木に対する無知と業者選定の拙さでまだまだ生き続けることができた" 仲間”を死なせてしまったという罪悪感でしばらく落ち込んでしまいました。
人間社会でもこういった話はよく聞いたような気がするなあと思いながら、枯れてしまったブルーアイスをそのままにしておくのもしのびないという気持から、別の業者に頼んで引き取ってもらいました。
そのあとをそのままにしておくわけにもいかないということで、また新しい木を買いに行きました。同じブルーアイスを選ぶことには何か抵抗があり、今度はモミの木を植えることにしました。高さはやはり3m位。割と形の良い木です。
冬のイルミネーションの時期頃までにはもう少し大きく且つ形も整ってきているかと思います。
先代のブルーアイスのような雄姿を期待するにはまだ2~3年かかるかと思いますが、この木だけはブルーアイスの二の舞とならぬよう大切に育てていきたいと思います。
これから皆さんがエントリーに訪ねてこられたときはこのモミの木が二代目として皆さんをお出迎えすることになります。 この次、エントリーに来られた時は、『あぁ、この木のことか…』という目でみていただくとともに、ブルーアイスのことを覚えていただいてる会員の方はブルーアイスのことを2~3秒でもいいですから偲んでいただければ幸いです。